今回ご紹介する3冊の共通点、それは「伊藤亜紗」さんというお名前です。
伊藤亜紗さんは東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授で、2021年4月3日(土)にFMヨコハマのラジオ番組「FUTURE SCAPE(フューチャースケープ。パーソナリティーは、小山薫堂さんと柳井麻希さんのお二人です)」のゲストとしてご出演し、伊藤さんがご専門の「美学」、また、「障害を持った方の身体の使い方」や「実際にスポーツ選手が競技中にどんな感覚をつかっているのかを実感できる非視覚的な観戦方法」などのお話をなさっていました。この番組の放送を聴き興味を得て読んでみたのが、この3冊ということです。
へんな書籍紹介かもしれませんが、書籍の概略等は、出版社のホームページやAmazonを検索して、ご覧頂けますでしょうか。
ここでは、私が付せんを貼った箇所を抜き書きするのみに留めたいと思います。いつか、どこかで、なにかの機会に、これらの書籍を読んだ方々と「どこに付せんを貼ったよ」、「ここの文章にグッときたね」などと感想を話し合ってみたいなと思うところの発案&試みです。
・「目の見えないアスリートの身体論 なぜ視覚なしでプレイできるのか」 伊藤亜紗 著 (潮出版社)
<私が付せんを貼った箇所(抜き書き)>
「・・・人の動きに制限を課すことでスポーツが成立する。視覚を使わないことも、こうした制限の一つと考えることができるのではないでしょうか。「手を使わないこと」や「線をはみ出さないこと」と同じように、「視覚を使わないこと」によって独特の運動が生まれ、特有の仕方でゲームが活性化する。まさに、伴走者の存在や音のするボールは、そのようなゲームの条件として機能していました。・・・」
「・・・とはいえ、ひとまずスポーツの理念は、偶然手にしたこの体を元手にして勝負するところにあります。「自然」「神」「運命」・・・・・・何と呼んでもいいですが、人間にはどうにもならないこの体というものに対して、知恵と鍛錬で挑んでいくのです。挑んでいるけれども、どうにもならなさを受け入れてもいる。・・・」
・「見えないスポーツ図鑑」 伊藤亜紗 渡邊淳司 林阿希子 著 (晶文社)
<私が付せんを貼った箇所(抜き書き)>
「・・・テニスを翻訳する・・・遠藤(注):うーん、それでいうと、ヒントになるかわかりませんが、相手のボールを打つ時も、軽いインパクトではなくて、体ごとぶつかりにいっているような、・・・・・・まさに「衝突」という感じなんですよ。自分から向かっていって、しかもそこで点で打つのではなく、体の面で押すように捉えていくことで、ボールに力を与えている感覚なんですよね。・・・」 (注)東京経済大学 遠藤 愛 教授。元プロテニスプレイヤー。
・「目の見えない人は世界をどう見ているのか」 伊藤亜紗 著 (光文社)
<私が付せんを貼った箇所(抜き書き)
「・・・本書の根底には、「情報」対「意味」という対比がずっと流れています。客観的で抽象的な「情報」に対して、具体的な文脈に埋め込まれ、その人ならではの視点を含んだ「意味」。意味には、見えないことでおのずと生まれてくる意味と、見えない人が意図的に作り出す意味があります。・・・」
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