緊張した時の対処法

 今回は、「緊張した時の対処法」についてご紹介したいと思います。

 まず、「緊張とは何なのか」について考えていきましょう。
 緊張とは、緊張反応とも呼ばれるもので、人間が危険を感じた時に本能的に出てしまうカラダの反応です。
 例えば、皆さんも緊張すると、筋肉が硬くなったり、手に汗をかいたり、心臓がドキドキしたりと、様々な反応がカラダに表れると思います。緊張する原因は、人それぞれ違うものですが、緊張反応は、みな同じようなものとみてとれます。実は、緊張反応は、その時のメンタルの状態をあらわしているというよりも、古代から人類のDNAにきざまれている生理現象のひとつなのです。進化の過程で危険に対する反応のメカニズムとして、緊張反応が出来上がったとの考え方があります。
 古代の人類が緊張する場面の多くは、肉食獣から命を狙われる危機にあったと推測されます。肉食獣に襲われるかもしれないと察知した瞬間、古代の人類は肉食獣に嚙まれても一気に大量の血が流れ出ないように筋肉を硬くし、同時に心臓をドキドキとフル回転させ、正しい状況判断ができるよう大脳に血液をドンドン送り込みます。このような古代の人類が生き延びるための防御反応がだんだんと強化され、緊張したらカラダに様々な緊張反応が出るようになったようです。このように緊張は自然な反応なので、緊張しない方法を求めるよりも緊張した時の対処法の方が重要であるとSBMTCOは考えています。

 さて、話を現在に戻しましょう。例えば、現在の日常生活で緊張するシーンといったら、大事な試合や大会、一発勝負の受験やプレゼンなどでしょう。しかし、よくよく考えてみてください。現在の試合や大会、受験やプレゼンは、古代の人類のように肉食獣に襲われるような生命の危機的状況にはないはずです。

 論理的に考えれば、現在の試合や大会、受験やプレゼンで、緊張した時、言い換えれば、緊張反応が出たときの対処法は、「脳に肉食獣はいない。生命の危機にはないと教えてあげれば、カラダは緊張する必要がなくなり、緊張反応はおさまるということ」になります。

 さらに、この論理的な考え方を推し進めた具体的かつ実践的な緊張した時の対処法は、「緊張した時には、ゆっくりと深呼吸をしながら、『心臓がドキドキするのはカラダの単なる反応だ』『ここは大好きなスポーツの試合会場だ!』『春からはこのキャンパスで勉強できるのだ』などと頭の中でイメージすること」です。その効果として、身体の硬さも取れ、気持ちも安定し、試合やプレー、試験問題やスピーチに集中しやすい状態に自分をもっていくことができると考えられます。

 ぜひ、皆様にはこの記事を参考に緊張をコントロールして頂きたいと思います。最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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