緊急事態宣言の延長とメンタルヘルスケア

2月2日、緊急事態宣言の期限が今月7日に迫る中、政府は、首都圏の1都3県などに出している緊急事態宣言を3月7日まで延長すると正式に決定しました。

コロナ禍の不安、外出自粛やテレワークの長期化で、不眠や食欲低下、元気がなくなったり、つらい気分に陥ったりと、マイナスの感情の解消やストレスの発散等ができていない方も多いと思います。

こころ穏やかに過ごすために役立っている、最も重要な脳のメカニズムのひとつに、“体内時計”と呼ばれるものがあります。

生活が混乱している最中であっても、体内時計が正確に働くように努めることで、不眠やつらい気分等をやわらげることができます。

そこで、ご家庭でも実践できる日常生活を規則的に送るための自己管理術(ストレスマネジメントやセルフケアの方法)をお伝えしたいと思います。今すぐにでも実践できる方法もたくさんありますので、下記の自己管理術の中にどれかひとつでも気になるものがあったら、ぜひ試してみてください。

・ 自宅待機や在宅勤務であっても、自分自身で毎日決まって行う日課を設定しましょう。そうすることで、あなたの体内時計は安定して働くようになります。

・ 毎日、同じ時刻に起きましょう。決まった時刻に起床することは、体内時計が安定して働くために最も大切です。

・ 毎日、一定時間を屋外で過ごすようにしましょう( 密閉・密集・密接の 3 密の状況を避け、一人でいられる場所で)。体内時計の時刻合わせには、朝の光が欠かせません。朝といっても、お昼近くよりは、午前中の早い時間帯が望ましいでしょう。

・ もし、あなたが外に出られないとしても、少なくとも 2 時間は窓際で過ごし、日の光を浴びながら、心の落ち着ける時間を持ちましょう。

・ 在宅での仕事や学習、友人との電話、料理など、毎日行ういくつかの活動はやる時間を決めましょう。そして、毎日、同じ時間に行いましょう。

・毎日、運動をしましょう。できれば、毎日、同じ時間帯で。

・ 毎日、同じ時間に食事をしましょう。食事の時間になっても、食べたくない時もあるかもしれませんが、それでも時間が来たら少量でも良いので何かを口にしましょう。

・ 人との交流は、たとえ社会的距離(ソーシャルディスタンス)確保の期間中であっても大切です。リアルタイムに考えや気持ちを分かち合えるような人はいるでしょうか? テレビ電話か音声通話かはどちらでも結構ですので、可能そうな方とコミュニケーションの機会を持つようにしましょう。すぐに相手が思いつかなくとも、誰かいなかったかを思い出してみましょう。LINE のような文章だけの会話であっても、リアルタイムにメッセージが行き交うものであれば大丈夫です。そして、毎日、同じ時刻にそういった相手とコミュニケーションするスケジュールを持ちましょう。

・ 日中の昼寝(特に、午後遅くの昼寝は)は避けましょう。もし、どうしても昼寝が必要な方は最大でも 30 分以内に抑えましょう。昼寝は、夜の深い睡眠を妨げます。

・ 夜間に明るい光(特にブルーライト)を浴びるのは避けましょう。コンピューターやスマートフォンのディスプレイも含まれます。ブルーライトは、睡眠に不可欠なホルモンを減らしてしまうことがわかっているからです。

・ 自分自身に合った、起床と就寝の時間を決め、一貫してその睡眠リズムを保つようにしましょう。もし、あなたが夜型ならば、たとえ家族の人より少し遅く寝て、少し遅く起きることになったとしても大丈夫です。毎日、同じ時間に床につき、同じ時間に起きることがポイントです。

そうは言っても、自分だけではうまくストレスを発散できなかった、焦りやイライラ、不安感、つらい、しんどい等のメンタルの不調が続いたり、自分ひとりではうまく対処できなくて悩まれている方もいらっしゃいるかもしれません。そのような時には、どうぞ、当オフィスにご連絡ください。何かお役に立てることがあると思います。一緒にがんばりましょう(お問い合わせフォーム)。

以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。 【ホーム

(参考資料)日本うつ病学会ホームページ「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行下における、こころの健康維持のコツ(日本語翻訳版)